見た目の可愛らしさから金魚ファンに愛されているらんちゅうは昔と変わらず、今でも金魚の代表種として人気があり高級魚の対象でもあります!
今回はそんな可愛らしいらんちゅうの飼育方法や注意点などを詳しく解説していこうと思います。
らんちゅうとは
ランチュウは日本人にとって非常に馴染み深い魚の金魚の一種です。
お祭りなどで見かける金魚すくいの中に入ったいる金魚とは似ても似つかない姿をしていて、その優雅な泳ぎ方や愛くるしい姿から品評会が開かれるほど人気な品種でもあり「金魚の王様」と呼ばれています!
らんちゅうの生態
らんちゅうは最大体長が約20cmほどになり、背びれがないのが大きな特徴で、他のひれも大きく広がることはありません。
また尾びれは金魚の典型である3つ尾・4つ尾・サクラ尾のどれかで、生まれたときは黒く途中で赤く変わっていきます。
性格は人になれやすくおとなしいため鑑賞向きの魚で、一般的に鑑賞魚というと横から見るのが普通ですが、らんちゅうは上から見ても楽しむことができるのが大きな特徴です!
ランチュウの形態
姿形の大きな特徴としては前述でも述べた通り背びれがありません。
人の手によって交配されて作られた種のため必要な機能を取捨選択していった結果なのかもしれませんね。
次に頭部に肉瘤と言われる膨らみがあり、肉瘤はカシラ(頭の部分)とフンタン(頬の部分)と呼び分けられていて、品評会ではこの肉瘤がいかに出ているかが重視されます。
また、その肉瘤がライオンのたてがみのようにも見えるため「ライオンヘッドゴールドフィッシュ」という英名がつけられています!
ランチュウの種類
ランチュウ
ランチュウの原種でアクアショップなどで販売される一番身近な種類です。
尾びれ以外の体全体が赤い個体で、色は素赤(すあか)と呼ばれます。
年数を重ねると頭部の肉瘤が盛り上がり、身体が分厚くずっしりとした貫禄のある身体になるのですが、これはランチュウすべてに共通する最終の形になります。
更紗ランチュウ
赤い身体に白の模様の入った種類で、通常のランチュウよりも2色の配色になるので個性が出ます!
さらに通常のランチュウよりも肉瘤が多くウロコ模様が綺麗なため、とても人気のある種です。
黒ランチュウ
通常のランチュウの黒いタイプです。
黒ランチュウの産地の9割は海外輸入に頼っていて中国を筆頭にシンガポール、タイが主な産地で特にタイ産の黒らんちゅうは、中国産に比べると仕入価格が約5倍にも跳ね上がります。
黒ければ黒いほど人気も高く、価格も上がります!
タイ産と表記されている中国産も多いらしく購入される時は注意が必要で、違いを見分ける方法はタイ産だとお腹が黒く、中国産は白っぽい配色をしています!
購入する際は要チェックです!
飼育方法
水槽
水槽の大きさはらんちゅうを飼育する数、個体の大きさによって変わっていきます。
60cm水槽を例えにあげると5cm満たないらんちゅうを飼育できる数は大体8匹程度飼育でき、5cm〜10cm程のらんちゅうだと大体4匹程度飼育する事が
できます。
20cm程度のらんちゅうだと大体2匹が限度となりますね。
飼育数が少ない方が水質の維持も簡単になりますし1匹1匹を丁寧に飼育できるので、あまり多い数を飼育するのはオススメできません。
これはあくまで目安になるので参考にしてみて下さい!
フィルター
魚にとって背ビレは泳ぐ方向を変えたり体勢を安定させる役割がありますが、らんちゅうは背ビレが無いため泳ぎが不得意な生き物になります。
なのでフィルターを選ぶ条件としては流れが強くないものを使用します。
オススメするフィルターは外部式フィルターで、こちらのフィルターはろ過能力に優れてるため生体にとって最適な水質を維持する事が可能になりますが酸素供給が若干弱いので、エアーポンプなどを使って酸素を送ってあげる事で上手に飼育することができます!
又、外部式フィルター以外に上部式フィルターや外掛けフィルターなどありますが、外部式フィルターに比べてろ過能力は落ちてしまいます。
外部式フィルター以外のメリットとしては安く手に入るので予算に合わせて揃えるのが良いですね!
餌
らんちゅうの口は下を向いてるため水面にある餌よりも下に落ちた餌の方が食べやすいので沈下する餌を選びます。
アクアショップではらんちゅう用の餌が販売されてる事が多く、肉瘤を美しくする専用の餌やらんちゅうの色そのものを美しくさせる色揚げ用の餌などが販売されているので、この2つの餌が使いやすいです!
餌をあげる注意点は多くあげすぎてしまうと消化不良を起こすため餌を食べる様子を見ながら、3分〜5分程度で食べきれる量を与えるのがベストです。
らんちゅうを水槽に入れる注意点
金魚は環境変化に強いイメージがありますが、らんちゅうは意外と敏感なので水合わせは入念に行いましょう!
可能であるなら、らんちゅうを購入する約2日前から水槽に水を入れておきカルキ抜きをし、フィルターの電源を入れて水を回しておくのがベストです。
らんちゅうを購入したらいきなり水槽に入れるのではなく、まずは袋ごと水槽に浮かべて水温を合わせます。
20分程浮かべたら袋を開けますが袋に入ってる水が糞などで汚れている場合や薬品が入ってる場合(水の色が緑っぽくなってます)は袋に入っている水を捨てて、らんちゅうだけ水槽に入れてあげます。
汚れている水ごと水槽に入れてしまうとせっかく作った水が悪くなる恐れがあるので注意してください。
袋の水が綺麗な場合はそのまま入れても問題ありませんので状況に応じて水ごと入れるか入れないかを決めましょう。
ランチュウの病気
私たち人間も急激な気温変化や慣れない環境に身を置くと風邪を引いたり体調を崩しますね。
それは魚も同様で水温、水質が大きく変動すると病気にかかりやすくなってしまうため、毎日の観察と病気の知識について知る必要があります。
ランチュウの代表的な病気と対処法をご紹介します。
エラ病
エラを沢山動かしたり、苦しそうに呼吸している場合はエラ病の可能性があり、エサのあげすぎや水質の悪化が原因となります。
エラ病の疑いのあるランチュウはその個体を隔離し0、3%から0,5%の濃度になるよう塩をいれます。
消化不良でエラ病になった場合は一週間餌を与えないようにすると、溜まったフンが排出されて回復していきます。
水質悪化が原因だと疑われる場合(浮遊物が多い等)は
水槽の水を3分の1ほど交換し様子を見ましょう。
白点病
白点病は季節の変わり目や水温の変化などに発症しやすい寄生虫が原因の病気です。
白い点のようなものが魚の体表に現れ、次第に数が増えていき最終的には呼吸困難に陥ってしまう観賞魚では代表的な病気の一つです。
白点病の基本的な治療方法は水温を高めにして薬浴、塩浴を行ない、病状が初期段階の場合は塩浴が効果的で、ヒーターを用いて水温も上げるとより治りやすくなります。
ヘルペス症
キンギョヘルペスウイルスに感染することで発症します。
感染すると金魚の血を作る組織が破壊されてしまい貧血を起こし、最終的には約1週間ほどで死に至ってしまいます。
外見的な変化があまりないため発見が難しいですがエラの部分が白く濁ったように変色するので観察する際にエラを見る癖をつけるといいですね!
非常に感染力が強いので複数で飼育している場合はすぐに隔離してあげることで感染を防ぐ事ができます。
原因として挙げられるのは新しく入れた個体が元々ウィルスをもっていたか水質の悪化などが原因になり、治療方法は水温を25度〜30度に設定します。
水温を上げた場合、水槽内の酸素消費量が多くなり酸欠になってしまうためエアレーションは必須になります。
まとめ
以上、らんちゅうの飼育方法や注意点について解説しました。
人懐こく愛嬌があるらんちゅうで昔と変わらず今でも人気のある金魚です!
飼育方法自体は難しくありませんが体調不良や病気にいち早く気づく事が重要となるので、日々の観察は欠かせません!
初心者の方でも飼育できる個体なので、金魚界の王様『らんちゅう』を是非飼育してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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