都市の開発や人々の生活が豊かになる一方で、古くからその土地などに生息していた生物の住処が奪われ、年々数が減ってしまっているのをご存知でしょうか。
今回はそんな絶滅の危機のある生物について解説していきたいと思います。
絶滅危惧種って?
絶滅危惧種とは絶滅のおそれがある野生生物のことを指し、絶滅とは1つの生物種の全ての個体が死ぬことによってその種が絶えることを言います。
絶滅した生物と聞いて真っ先に想像するのがマンモスや恐竜などだと思いますが、絶滅してしまった生物は数え切れないほどいて、かつて地球上に生息した生物の90%以上は既に絶滅してしまっているんです。。
なぜ絶滅してしまうのか?
絶滅してしまう原因は様々ですが、森林の伐採や開発によって生息地が失われたり、密猟などの乱獲、環境汚染などが挙げられます。
いずれも人間によって生物を絶滅に追いやってしまう場合がほとんどで、その数は年々増加しており、現在でも深刻な問題になっています。
レッドリスト
この絶滅危惧種の生物を守るためにIUCN(国際自然保護連合)がこの絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を作成していて、このリストには現在、約2万6千種もの野生生物が登録されています。
このレッドリストを作成したIUCNはスイスに本部があり、日本の環境省もより細かく把握するために独自のレッドリストを作成していますが、これらもIUCNの評価基準に基づいて作成されています。
国内希少動植物
そんな環境省のレッドリストの中でもさらに保護の優先度の高い生物に対しては
国内希少動植物として指定されています。
この国内希少動植物に指定されると法的な保護処置の対象となり、個体保護、生息地の保全などの処置が行われ、この野生個体を無許可に採取したりした場合には罰則が課せられます。
・個人であれば5年以下の懲役、500万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金となります。
食べられている絶滅危惧種
絶滅危惧種は絶滅が危惧されているだけで捕獲などが禁止されているわけではなく、有名な例をあげるとニホンウナギも絶滅危惧種として指定されていますが、今でもうなぎ屋では天然のニホンウナギが並んでいますよね。
2月1日 ニホンウナギ、絶滅危惧種に指定:日本経済新聞 https://t.co/JPEVcosQoM 今日はうなぎを絶滅危惧指定してから、6年間も食べ続けていた記念日。
— uncorrelated (@uncorrelated) February 1, 2019
もちろん数が多く取れるわけではないので、高値で取引される上に乱獲も禁止されていますが、絶滅危惧種が食べられているという矛盾もあります。
つまりレッドリストに指定されているだけでは、基本的には食べたり捕獲しても法的な処罰はないのが現状です。
絶滅危惧種のレッドリストにもグレードがあり、その位置付けによって若干変わってくるので詳しくは環境省のHPをご覧下さい。
アクアリウムにおける国内希少動植物
アクアリウムでこの国内希少動植物に登録されている有名な種だと、ミヤコタナゴなどが挙げられます。
コイ科タナゴ亜科に属する日本固有の淡水魚です。
絶滅危惧IA類になっているため、国の天然記念物に指定されている「ミヤコタナゴ」。
そのミヤコタナゴを保護活動を所沢は行っております。
ミヤコタナゴとはどんな魚でしょう…#所沢 #絶滅危惧 #天然記念物 #ミヤコタナゴ #淡水魚 #埋蔵文化センターhttps://t.co/P1ncOOjkjR— 所沢なび (@tokorozawanavi) July 11, 2019
かつては関東地方の小川に広く生息していましたが、都市の開発に伴い数が激減しました。
現在は栃木県と千葉県の一部のみに生息していないとされています。
ミヤコタナゴは二枚貝に産卵するため、川底などに二枚貝がいなくなってしまうと必然的にミヤコタナゴも数を減らします。
水生物館では希少淡水魚ミヤコタナゴの繁殖に取り組んでいます。タナゴの仲間は貝の中に卵を産むので、そのためのカワシンジュガイを展示水槽に10個入れました。写真の貝は人気があるようで、たくさんの魚が集まってきました。 pic.twitter.com/lTaMD5bl7R
— 井の頭自然文化園[公式] (@InokashiraZoo) April 27, 2017
この産卵に利用される二枚貝は濾過摂食といい水中の浮遊有機物や植物プランクトンを入水管を使いエラ呼吸と共に口に運び入れます。
つまり二枚貝は水中で過度に増えた栄養素などを濾過摂食によって濾し取るので、水を浄化することが出来ます。
しかしその浄化能力にも限界があり、どんな汚れた水でも濾過出来る訳ではないので、環境汚染によって水が汚れてしまうと二枚貝が餌を摂取することが出来なくなるため二枚貝が死んでしまい、やがてミヤコタナゴも死んでしまうんです。
まとめ
以上、絶滅危惧種の生き物について解説しました。
いずれも人によってこのような状態になってしまいましたが、これからは生き物達が少しでも住みやすい環境になることを願います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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