今回は海水魚の中でも色鮮やかでよく目立つスミレナガハナダイについて解説したいと思います!
スミレナガハナダイは「色の明るい魚を飼育したい!」、「オスメスのペアを飼育してみたい!」と言った方にオススメの種です。
飼育には気を使うポイントがいくつかありますが、理解していれば上級者でなくても飼育が可能な種なので是非チャレンジしてみて下さいね。
では解説していきましょう!
スミレナガハナダイとは

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
スミレナガハナダイはスズキ目ハタ科ナガハナダイ属に属する海水魚です。
西太平洋に分布しており、日本でも観察する事が出来ます。
日本では伊豆半島以南〜琉球列島までと広いエリアが分布となっていますが、九州や琉球列島などの水温が高い地域に多く生息しています。
その為、比較的北部である伊豆半島などではややレアな種とされています。
15m以深のサンゴ礁を好む傾向があるので、ダイバーからの認知度は高いですが、スノーケルや磯遊びがメインの方は馴染みが薄いかもしれませんね。
体の特徴
拙者スミレナガハナダイ大好き侍… #西表島 pic.twitter.com/HncRJ2AbJK
— さかな (@chaetodon07) September 28, 2020
オスは明るい紫〜赤色をしており、側面に大きな四角い模様があるのが特徴です。
四角の大きさや形には個体差があります。
ダイバーの間では四角い模様が湿布に似ている事から「サロンパス」と別名で呼んでいたりします。
メスには四角模様がなく、綺麗な黄色の体をしています。
体色や模様に大きな差があるので、オスとメスの判別はとても簡単です。
また、オスもメスも各部分のヒレが非常に綺麗な事も大きな魅力のひとつと言えます。
名前の由来
スミレナガハナダイは漢字で「菫長花鯛」と書きます。
この漢字が表す様に「スミレ(菫)」はスミレの花の様な体色、「ナガ(長)」は各ヒレが長い事が名前の由来になっている様ですね。
英名ではSquare spot fairy bassletと呼ばれています。
Square spotは「四角い模様」、fairy bassletは「ハナダイ」の意味なので英名は四角い模様を由来にしている様ですね。
大きさ
スミレナガハナダイは、サロンパスを張った魚として有名です。 https://t.co/lH5U8SB2cq pic.twitter.com/ade6sV3LZK
— ダイビングスクールオーシャン (@0Diving) July 2, 2018
スミレナガハナダイは成長すると最大で20cm程まで大きくなります。
20cm程になるのはオスで、メスは大きくなっても15cm前後でしょう。
販売されているスミレナガハナダイは10cm弱の事が多いので、成長する事を想定し飼育出来るか判断してから購入しましょう。
寿命
スミレナガハナダイの寿命は5年前後とされています。
購入時の成長度合いで飼育可能な年数は前後しますが、3年ほどは飼育出来るのではないでしょうか。
もちろん水槽内の環境で寿命は変わってきますので、しっかりとメンテナンスしてあげて下さいね。
性格
スミレナガハナダイの性格はややキツいといえます。
特に同種に対しては激しく争う事が多い印象です。
自然界では群れをつくって生活しているスミレナガハナダイですが、水槽内で群れを楽しむのは難しいです。
キツイといわれているスミレナガハナダイですが、個人的にはゆとりのある大きな水槽での飼育であれば他種と争う印象はないのです。
購入
スミレナガハナダイは人気の種という事でネットでもアクアショップでも購入する事が出来ます。
価格は3000円前後で販売されている事が多く、カクレクマノミなどと比べるとやや高価と言えます。
立ち上げたての水槽にすぐに入れるのではなく、デバスズメダイやカクレクマノミなどの丈夫な種を導入して、問題ない事を確認してから導入する事をオススメします。
性転換
スミレナガハナダイは性転換する魚としても有名です。
群れの中でオスがいない時や、あまりにもメスの比率が多い時に一番体の大きなメスがオスへと性転換するのです。
黄色い体が徐々に赤みがかっていき、四角い模様が浮き出てくるのです。
著者はダイビングをするので性転換途中の「おかま」に会った事が何度かあります!
水槽内では群れで飼育するのが難しいので、性転換を観察できるのはごく稀ですが知識として覚えておいて損はないでしょう。
スミレナガハナダイを飼育してみよう
スミレナガハナダイの基本情報がわかったら飼育方法について学んでいきましょう!
飼育アイテムを揃えよう!
・水槽
・ろ過装置
・ヒーター
・クーラー
・エアー用品
・底砂
・エサ
上記のアイテムは他の海水魚の飼育でも使用する基本アイテムです。
基本的なアイテムがあれば問題なく飼育する事が出来るのでチャレンジしやすい種と言えますね。
海水水槽の詳しい立ち上げ方についてはこちらをご覧下さい。

水槽サイズ
スミレナガハナダイを飼育する際は60cm以上の水槽を準備しましょう。
成長する事で体が大きくなるので、45cm以下の小さな水槽だと窮屈になってしまいます。
他にもスミレナガハナダイは岩陰などの隠れ場所を好む為、小さい水槽だと思うようにライブロックが組めなくなってしまうといった要因もあります。
性格のコーナーでも少しお話ししましたが、混泳させるのであればなるべく大きな水槽を準備して下さいね。
水質
スミレナガハナダイはやや水質の変化に敏感とされています。
敏感とはいっても定期的に換水をしていれば、問題ないレベルです。
一番気をつけるべきなのは水合わせ時です。
水温差、塩分濃度の差などでダメージを与えやすいので、時間をかけて少しずつ水合わせしてあげましょう!
定期的に比重系で比重を測るように心がけましょう!
水温
スミレナガハナダイを飼育する際はヒーターやクーラーを導入して、25〜26度をキープする様にしましょう。
飼育が可能な水温としては20〜28度ですが、分布からもわかるように低温はあまり得意ではないです。
特に23度を下回るとエサの食いつきが悪くなったり、活発さが無くなったりと良くない事だらけですので気をつけましょう!
混泳
性格のコーナーでもお話ししましたが水槽内にゆとりさえあれば、争う事は少ないのでほとんどの種と混泳が可能です。
もちろん肉食の魚との混泳は出来ないので、勘違いしない様にしましょう!
同種との混泳
同種間では非常に争うので余程水槽が大きくない限りは、ペアでの飼育に留めておきましょう。
ハナダイと聞くとどうしても群れを想像しがちなので、群れをつくれないのは非常に残念ですが我慢しましょう。
無理に複数で飼育して、怪我したり死んでしまう姿を見る方がよっぽど残念な気持ちになってしまうと思います。
エサ
スミレナガハナダイは人工エサでも生エサでも食べてくれます。
価格や手間を考えると人工エサに慣らすのがオススメです。
ショップによってはブラインシュリンプなどの生エサを与えているお店もあるので、購入時に確認すると良いでしょう。
また水槽導入から間もない時期は、やや人工エサの食いが悪くなりがちです。
慣れてくれば食べてくれますが、個体によっては時間がかかる場合もあります。
痩せて弱ってしまいそうな場合には一時的に生エサをあげる様にして下さいね。
どんな人工エサを与えればいいかわからない方は「おとひめ」というエサがオススメです。
まとめ
いかがでしたか?
カクレクマノミやデバスズメダイなどの、とても丈夫で初心者向けの種と比べると少し気を使う必要があるのがスミレナガハナダイです。
ただ読んでいただければ分かる通り、少しの気遣いで問題なく飼育出来る種なので是非チャレンジしてみて下さいね。
みなさんの水槽でスミレナガハナダイが活躍するのを願っています。
最後までご愛読いただきありがとうございました。
コメント