熱帯魚に比べて地味な魚である事からあまり飼育されにくい生き物ですが、白銀の綺麗な個体や婚姻色が綺麗な魚、顔が愛くるしい魚など、飼育していて飽きない淡水魚も多くいます。
今回は飼育しやすい淡水魚5選の飼育方法などを詳しく解説していこうと思います。
日本淡水魚とは
日本淡水魚とは日本に元から川や湖などで生息していた魚種を指します。
川や湖でよく見かけるブラックバスやブルーギルなどは外来種といって海外から持ち込まれた日本には本来生息していない種なので、日本淡水魚からは外れます。
淡水と一概に言っても渓流や隔離された湖など全く違う環境下で生活しているため大きく別けると、幅広い水温で生息できる温帯魚と20度以下の水温で生息する冷水魚で別けられています。
温帯魚で有名な淡水魚は鯉やフナ、タナゴの仲間などが挙げられ、冷水魚はヤマメやイワナなどが挙げられます。
飼育のしやすさは温度管理が容易である温帯魚ですが、冷水魚は綺麗な水を好む上に夏場のクーラーも必須になるので飼育難易度は高めです。
まずは温度管理が容易で水質変化にも強い温帯魚から飼育してみるのがオススメです!
飼育しやすい淡水魚
①ドジョウ
ドジョウの仲間は10種類以上存在しますが、容易に飼育できる種類もあれば水質に少し敏感な種類もいます。
飼育が比較的容易な種類はシマドジョウやヒドジョウで水温変化、水質変化に強くペットショップでも販売されている事が多いので入手もしやすくオススメです。
飼育難易度が高めのドジョウはホトケドジョウやフクドジョウが挙げられ、生息地が河川の上流~中流であることから水質に少し敏感です。
ドジョウの底砂
ドジョウは砂に潜る性質があるので体が傷つかないように、粒が尖っていない砂を選びます。
この前買ってきたドジョウが最近砂に潜るようになりました#世界一いらない報告をする pic.twitter.com/3931iYMEXU
— GC8うみねこ@GCGF榛名オフ2019 (@GC816890322) September 20, 2018
オススメする底砂は田砂という底砂でドジョウを傷つける事もなく、日々のメンテナンスでも掃除しやすいのが良い点ですね!
なにより田砂は日本らしさを水槽で表現する事ができます!
ドジョウの水槽設備
まずは水槽の大きさですが、ホトケドジョウ以外のドジョウは体長15cmを超える個体が多いので最低でも45cm水槽を用意しましょう。
水温は1度~28度と幅広く適応できるのでヒーターやクーラーの設置は不要ですが、水温が30度超えてしまうとさすがに弱ってしまうので、夏場は水槽用冷却ファンを設置するか室内温度が30度を超えないように室温調整すれば問題ありません。
水温が1度~15度になった場合は餌の食いつきが悪くなるので餌のあ与え過ぎに気を付けましょう。
フィルターは汚れた水を嫌うドジョウのために、ろ過能力が高い外部式フィルターか上部式フィルターを用意しましょう。
②タナゴ
タナゴは日本淡水魚の中で1番人気のある淡水魚です。
タナゴの種類はとても豊富で、有名な種類を挙げるとニッポンバラタナゴ、タイリクバラタナゴ、カネヒラ、ヤリタナゴ、マタナゴなどが挙げられます。
タナゴの種類によって体色や大きさが変わりますが、飼育方法に大きな違いはありません。
タナゴの大きな特徴としてはタナゴの産卵方法と繁殖期に見られるオスの婚姻色です。
タナゴの産卵方法は他の淡水魚とは異なっていて、二枚貝という貝の中に卵を産みつける習性があり、産卵前のオスの体は婚姻色といってとても綺麗な体色になります。
最高潮に達したニッポンバラタナゴの婚姻色は本当に素晴らしいです。この姿をいつまでも見れるように微力ながら私も頑張ろうと思います。 pic.twitter.com/UKd37zIW7K
— セボシックス (@seboshi_6) April 22, 2019
タナゴの産卵方法
タナゴを飼育する上で1番の醍醐味ともいえるのがタナゴの産卵を飼育下で行う事です。
産卵を成功させるにはオスとメスの判別が必要になります。
オスは繁殖期になると婚姻色が出るので分かりやすいですが、メスはお腹辺りから産卵管といって長い管が伸びてくるので判断は容易です。
まずはバラタナゴのメス!黒い長ーいのは産卵管(≧∇≦) pic.twitter.com/3eQwpDrDxn
— やぎ、ダディー!ポンコツ1号 (@yagidayo) July 7, 2013
産卵に使われる二枚貝の種類は主にイシ貝、ドブ貝などが使われる事が多いです。
稲刈り中に、用水路でドブ貝の貝殻を見付けた。
珍しい!いい事あるかも! pic.twitter.com/THeLzlMenI— タケトラそう (@TaketoraSo) October 10, 2018
タナゴの水槽設備
タナゴは最大でも約15cm程度まで大きくなり水質が綺麗な場所を好むため、水質の維持を考える水槽の大きさは最低でも45cm以上必要になります。
水温は5度~30度で飼育が可能なのでヒーターやクーラーの設置は不要ですが、産卵をさせるのであれば低水温では活性が下がってしまうので、産卵させるのであれば20度以上に水温を保つ必要があるのでヒーターを設置する必要があります。
ドジョウと同様に30度以上の水温は危険なので、ドジョウの飼育と同じように対応しましょう。
上記でも解説した通りタナゴは綺麗な水を好むため、フィルターはろ過能力の高い外部式フィルターがオススメです。
③オヤニラミ
オヤニラミ~ pic.twitter.com/ML2YCctqJv
— アーサー@生物垢 (@unagi_tukusi) October 9, 2019
日本淡水魚の中で筆者が1番好きな淡水魚です!
オヤニラミの特徴はなんといっても独特の模様で、エラの所に眼状紋という目玉のような模様があります。
pick up!!
この眼状紋は外敵からの致命傷を避けるためにあると考えられていて、蝶などにも見られます。
この眼状紋を外敵が目=頭と勘違いすることで、万が一攻撃されても本物の頭を守り致命傷を避ける働きがあります。
オヤニラミの生態
オヤニラミはあまり活発に泳いだりせず、岩と岩の間や川に沈んでいるビンの中などに隠れて生活しています。
一見とても大人しそうに見えますが、基本的に口に入るものは何でも食べてしまい、小魚やエビ、虫などを捕食する攻撃的な肉食魚です。
このオヤニラミもタナゴ同様に婚姻色が出るので飼育する楽しみの1つでもありますね!
オヤニラミの混泳
オヤニラミはとても縄張り意識が強く、縄張りに入ってきた魚には攻撃してしまうので、混泳は難しい種になります。
混泳が可能な淡水魚は底を泳ぐドジョウやオヤニラミより大きい個体の淡水魚であれば混泳は可能です。
反対に混泳が難しい淡水魚はメダカなどオヤニラミより小さかったり、同じような水層を泳ぐ魚は捕食のターゲットになるので混泳はできません。
オヤニラミの水槽設備
水槽の大きさは45cm以上が好ましく、混泳やオヤニラミを3匹以上飼育したい場合は60cm以上の水槽を用意してあげましょう。
オヤニラミは大食いなので、水が汚れやすくフィルターは外部式フィルターがオススメです。
底床は大磯など掃除しやすい砂か、田砂でも特に問題なく飼育できます!
オヤニラミは隠れて生活する習性があるので、流木や水草を入れてあげましょう。
隠れる場所が無いとストレスがかかってしまうので、必ず隠れ家を用意してあげましょう!
餌は基本的に何でも食べてくれますが、万が一食べなかった場合はクリルや赤虫など、自然に近い餌から与えると人工餌にも慣れてくれるので給餌には困らない種類です。
オヤニラミの適正温度は15度〜28度ですが、水温が0度でも生きてられるほど強いので冬場の飼育はヒーターが無くても問題ありません。
夏場は水温30度超えると危ないので室内の温度調整をするか、水槽用冷却ファンを設置しましょう!
オヤニラミに赤虫をあげました。 pic.twitter.com/sEmWJ5geeK
— 温泉たまご (@onsenegg1985) December 18, 2018
④カマツカ
身近な河川で簡単に捕まえられたり、釣れる日本淡水魚の1つです。
鱗が鎧のように硬くなっており、細長い身体でヒゲが生えてるのが特徴です。
底で生活し自然界では砂利の中の微生物を食べていて、飼育下では他の魚の食べ残しなどを食べてくれるので、水槽のお掃除屋さんとして飼育してる方も多いですね。
カマツカは非常に臆病な生き物なので、外敵や人間が近寄ると砂に潜って目だけを出して隠れます。
最近 四万十川でも見かけることが多くなったカマツカ。ちょいと馬面だけど 愛嬌たっぷり。#Shimanto pic.twitter.com/1MvrxQyioe
— sakanayama (@sakanayama) July 22, 2016
飼育下でも最初は人が近寄るだけで砂に潜ったりもするので可愛い一面が見れるのも楽しみの1つですね!
カマツカの底砂
カマツカの食事の仕方は砂ごと吸って餌だけを飲み込み、砂だけをエラから吐き出すような食べ方をします。
もぐもぐ競争だ!!カマツカは撒いたエサを競うように吸い取って食べていきます。水槽の底を清潔に保つのをいつも助けてくれるんです。 pic.twitter.com/c1Ef6OV1g9
— 井の頭自然文化園[公式] (@InokashiraZoo) March 12, 2019
なので水槽をレイアウトする際に、粒が大きい大磯などを敷いてしまうと、食事の際にストレスがかかってしまうのと砂に潜って隠れる事も出来なくなってしまうので、なるべく粒が小さい底砂を選びます。
粒の大きさや日本の淡水風景をレイアウトできる事から田砂がオススメです。
カマツカの水槽設備
カマツカは最大で20cm程まで成長する淡水魚なので最低でも60cmの水槽が必要となってきます。
稚魚から飼育する場合は45cm水槽で全く問題ありませんが、最終的には60cm以上の水槽が必要となるので、水槽を購入する場合は初めから60cm水槽を用意した方が良いでしょう。
選ぶフィルターですが、カマツカは水質変化に強いので、ろ過能力が高いものを選ぶ必要はありませんが、日本淡水魚と混泳させるのであれば水質維持ができる外部式フィルターがオススメです!
餌は浮いてる餌は食べれないので沈下する餌を与えます。
コリドラス用の餌などが適していて、もし沈下する餌を与えても食べない場合は赤虫など自然に近い餌を与えると食べてくれるので、臨機応変に対応しましょう!
⑤ヨシノボリ
形はカマツカに似ていますが色合いや顔がとても可愛く、観賞魚として人気があります。
お腹には吸盤がついていて、ガラスや流木などにぺったりとくっついている姿が可愛らしいです。
ヨシノボリやハゼの仲間は
腹ビレを吸盤のようにしてひっつきます pic.twitter.com/9JoEes2Pk6— アクアマリンいなわしろカワセミ水族館 (@InawashiroAQ) March 1, 2019
体長は大きくても10cm程度と小型の淡水魚ですが、縄張り意識が強いので混泳には少し工夫が必要です。
ヨシノボリの混泳
ヨシノボリの混泳についてですが、縄張り意識が強い淡水魚のため、ヨシノボリを複数匹いれてしまうとお互いボロボロになるまで喧嘩しています。
もし複数匹入れたいのであれば、水槽のサイズを大きくするか流木や岩などで隠れ家を多く作ってあげる事で、争いにくくなります。
他の種との混泳はヨシノボリの口に入るような小さいサイズでなければ混泳は可能になります。
稚魚やメダカなど小さい個体は混泳が難しいので注意してください。
ヨシノボリの水槽設備
水槽のサイズは45cm以上を用意しましょう!
水温に関しては0度〜28度までなら問題なく飼育が可能で、夏場は水槽用の冷却ファンなどを使用して水温が30度以上にならないように気を付けましょう。
餌に関しては雑食の淡水魚なので、基本何でも食べてくれますが、沈下しない餌ばかり与えてしまうと痩せてしまうので沈下する餌を与えるか、生き餌のメダカや冷凍赤虫を与えるのがベストです!
まとめ
以上、日本淡水魚の飼育について解説しました。
今回紹介した日本淡水魚の共通点は、低い温度に強いということです。
水槽を管理する上で電気代がかかってしまうのは仕方ない事ですが、日本淡水魚はヒーターやクーラーが無くても飼育が出来るので、ランニングコストがあまりかからないのも良い点の1つですね!
水質変化、水温変化にも割と強い個体達なので初めて日本淡水魚を飼育する方にも簡単に飼育できます。
日本淡水魚は日本の河川を感じられる素敵な淡水魚なので是非飼育してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
・底砂を田砂でレイアウトする事で日本らしさが表現できるのでオススメです!
・水温が30度以上にならないようにファンや室内温度を調節しましょう!
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