海水飼育をしてる上で、必ずと言っていいほど砂を敷くと思います。
しかし、飼育している期間が長いほど、最初は白かった砂も徐々に汚れていってしまい、見栄えが悪くなってしまいます。
この砂の汚れを解決してくれるマガキ貝という貝をご存知ですか?
汚れだけでは無く、病気も予防してくれる万能な貝の仲間です。
今回はそんなマガキ貝について解説していこうと思います!
マガキ貝とは
マガキ貝は巻貝の一種で、地方によって呼び方が変わります。
静岡県ではトネリ、鹿児島県ではトッビナ、三重県ではカマボラとまだまだ色々な呼び方がありますが、今回はこの辺で省略させて頂きます(笑)
因みにマガキ貝とマガキは同じ生き物だと間違われやすいですが、漢字で書くとマガキ貝⇨籬貝、マガキ⇨真牡蠣となります。
真牡蠣は牡蠣の仲間という事になり、マガキ貝は貝が1枚でマガキは貝が2枚で構成されているのが特徴です。
生態
マガキ貝は貝から口を象の鼻の様に伸ばし、砂の中の微生物などを食べて生活をしています!
この口を使い、魚の死骸や微生物を食べ、飼育下では茶ゴケや食べ残しを主に食べてくれるので、水質悪化の予防にもなりますね!
又、貝からはカタツムリの様に目を出しており、移動するときは大きな爪を杖の様に使って移動をします。
偽物に注意!!
マガキ貝は磯遊びなどでも見かける事が出来ますが、マガキ貝と見た目がそっくりのイモ貝という貝が存在します。
イモガイ
見た目に反してもし触ってしまえば、数分後にはあの世行きになってしまうかもしれない。
イモ貝の持つ一滴の毒は成人男性20人分の致死量。
サンゴ礁の周辺や砂浜などにいる。綺麗でも触らないように。 pic.twitter.com/VY5Pa0gzJf— 危険なことあれこれ (@kiken_kiken1) February 17, 2020
マガキ貝とイモ貝の大きな違いは毒の有無で、イモ貝には生き物を麻痺させる強力な毒を持っており、イモ貝の毒で人が亡くなってしまうケースがある程イモ貝の毒は強力です。
この2種類の貝の違いを見分ける方法は貝の形で見分ける事が出来ます。
マガキ貝には目を出す部分の貝がめくれていますが、イモ貝は目を出す部分が真っ直ぐになっています。
こちらはマガキ貝↓
こちらはイモ貝↓
過去に和歌山県白浜町で拾ったイモガイ。
キキョウイモってやつでしょうか…#教えて貝の人 pic.twitter.com/ZmheFlVfAR— たかし (@cyapraea_tigris) April 4, 2020
なぜ似ているかについては、まだ解明はされていませんが、マガキ貝は毒のあるイモ貝に似せる事で捕食されにくくなる為に擬態したのではないかと言われてます。
飼育下ではどんな役割なのか
水槽立ち上げ当初は白い砂だったはずが、餌の食べ残しやライトの光によって、砂の表面が茶色になっていきます。
これは海水飼育をしていて必ずといっていい程なってしまいます。
淡水飼育の底砂を掃除する時は、底面クリーナなどを使って掃除する事が出来ますが、海水飼育で砂を掃除する際に底面クリーナーを用いる事はあまり現実的ではありません。
その理由として砂の中は水の流れが無い為、病気の元となる菌が棲みついている可能性が高く、砂を巻き上げてしまうと病原菌が水槽内に舞ってしまい、魚達が病気にかかりやすくなってしまいます。
砂の汚れを放置してしまうと、汚れが目立ったり、菌が蓄積されたりと悪い事ばかりですが、そんな問題を解決してくれるのがマガキ貝です!!
マガキ貝は海の掃除機と呼ばれる程、汚れや微生物をどんどん食べてくれるので、かなりの働きっぷりです!
汚れる前に導入すれば予防になる上に、汚れた後の導入でも対処としての役割があります。
予防と対処の2つを兼ね備えている万能な貝ですね!
マガキ貝の注意点
マガキ貝の死因
マガキ貝の1番の死因は餓死です。
汚れを綺麗にしてくれるマガキ貝ですが、当然汚れるスピードが落ちたりするとマガキ貝の食べる物が無くなり、餓死の要因としては、マガキ貝を過剰に入れてしまう事で起きてしまいます。
水槽のサイズとマガキ貝の数の比率が合わないと、1匹の食べる餌の量が合わなくなり、数が減っていきます。
水槽の大きさに対してのマガキ貝の数をまとめてみたので、参考にして頂けたらと思います!
30cm水槽⇨1匹
45cm水槽⇨2匹
60cm水槽⇨3匹
90cm水槽⇨4匹
120cm水槽⇨5匹
150cm水槽⇨8匹
こうして見ると、少ない数でもしっかりと働いてくれる事が分かりますね。
これはあくまでも目安として、照明の強さや餌の残り具合などによっても変わるので、水槽の汚れを見て微調整してみて下さい!
マガキ貝の安否確認!!
水槽に入れる数などに気を遣ってもマガキ貝が死んでしまう事があります。
魚の死骸を放置すると水質が悪化してしまいますが、マガキ貝も同様に死骸を放置してしまうと、水質悪化の原因になるので早めに取り除く必要があります。
魚達が死んでいる時は死骸を見つける事が出来るのですぐに取り除けますが、マガキ貝に関しては見ただけでは区別がつきにくいです。
マガキ貝がずっと同じ場所に居て動かなかったり、貝の中から目や口が出てこない場合は死んでいる可能性が高く、怪しいと思ったら貝の中を見て確認してみて下さい。
生きているマガキ貝の中身を見ると爪や目が見えますが、死んでいるマガキ貝は空っぽになっています。
空っぽでは無いけれど、生きているか分からない場合は匂いを嗅いでみて下さい。
死んでいるマガキ貝は生臭い臭いがするのですぐ判別できます。
サンゴ飼育している方は要注意!
マガキ貝が砂の上や砂の中を動き回った衝撃でライブロックが崩れしまい、サンゴを死なせてしまう可能性があります。
マガキ貝を導入する上でこの問題は避けられないので、ライブロックやサンゴが倒れないようにレイアウトを工夫する事が重要になってきます。
ライブロックの足場をなるべく大きなライブロックで組む事で崩れにくくなるので、しっかりレイアウトをしましょう!
混泳
マガキ貝は様々な種類との混泳が可能ですが、貝類を食べる大型のベラなどはマガキ貝を捕食してしまうので、混泳は避けるのが無難です。
又、ヤドカリの仲間もマガキ貝を食べてしまう恐れがあるので注意が必要です。
マガキ貝自体の性格はとても温厚なので、自分から他の生体を襲う事はありません。
価格
1匹辺り200円〜500円程度で販売されている事が多いです。
仕入れの状況によってはお店で販売されていない事もあるので、早急に必要な場合は通販でも販売しています。
まとめ
以上、マガキ貝について解説しました。
海水飼育を続ける上で、必要不可欠とも言える程の生き物だと筆者は思います。
白い砂をキープするのも大事な事ですが、それ以上に病気の予防や水質悪化を防ぐ事が出来るのが1番の魅力だと思います。
対処よりも予防が大切なので、海水水槽を始めるタイミングでマガキ貝を導入する事をオススメします!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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