日本で1番ポピュラーな魚といえばやはり金魚ですよね。
以前ご紹介したアートアクアリウムにも沢山の方が足を運んでいます。
そんな金魚は色鮮やかな個体が多く、飼育も簡単な事から日本のみならず世界中で親しまれています。
そんな人気者の様に色鮮やかで、観る人を魅了してくれるところからキンギョの名をもつ海水魚がいるのを皆さんはご存知ですか?
その海水魚の名前はキンギョハナダイ
今回はそんなキンギョハナダイの魅力や生態、飼育方法などを解説していきたいと思います。
キンギョハナダイとは
冒頭でも説明した通りキンギョの様に色鮮やかなところからキンギョハナダイという名前がついた海水魚です。
花吹雪が舞っているかの様に群れをなして泳ぐ姿からアクアリウム界のみならず、ダイバーの間でも非常に人気のある海水魚です。
生息地
キンギョハナダイは太平洋とインド洋の温暖な海域に生息しており岩場やサンゴ礁を好んで集まります。
房総半島や伊豆半島でも観察することができます。
潮通しの良いところに集まる傾向があり、外洋に出れば凄い数の群れをつくっており非常に圧巻!
世界のいろんな海にいるキンギョハナダイ。伊豆にもこんなにいます。熱帯魚屋さんに行くと産地にもよるけど一匹800円~1,000円位するんですよね。一体いくら分群れていることやら。 pic.twitter.com/9Wo8zmR6cz
— サンペイダイバー (@sanpeidiver) May 2, 2016
寿命
キンギョハナダイの寿命は通常3〜5年とされています。
海水魚の中では比較的強い個体とされていますが、飼育環境によってある程度左右されます。
大きさ
キンギョハナダイはオスとメスで大きさに差があります。
オスは11〜14cm、メスは4〜6cmが平均的な大きさです。
キンギョハナダイの性転換
キンギョハナダイは性転換する事でも知られている海水魚です。
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生まれた時は必ずメスとして生まれ成魚へと成長します。
そして性転換が必要なタイミングになるとオスへと身体を変化させていきます。
キンギョハナダイのオスとメス。性転換することが知られている魚類です。葛西臨海水族園で2017年5月28日(日)に開催する「スタッフトーク」では、性が変わる魚についてお話しします。東京ズーネットお知らせ☞https://t.co/tG0kKkBY0R pic.twitter.com/h7Sal1jKEo
— 東京ズーネット[公式] (@TokyoZooNet_PR) April 24, 2017
まずメスとして繁殖できるまで成長する事から「雌性成熟」であり、オスとしてもメスとしても繁殖行動できる事から「雌雄同体」な海水魚です。
雌雄同体とはオス、メスの両方の生殖器官を持ち合わせている生物の事を指します。
性転換のタイミング
キンギョハナダイが性転換するタイミングはいくつかの要素があります。
まず大前提として繁殖できるまで成長する必要で、約1年で繁殖活動ができる様になります。
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繁殖行動が可能になった上で
①群れの中にオスがいない
②群れにいるメスの割合が少ない
といった状況下で性転換が始まります。
①、②どちらの場合も群れの中でも一番大きなメスがオスへと変化していきます。
オスの割合は群れ全体に対して1〜3割程度と言われています。
1〜3割というと振り幅が大きいですが、著者の考えでは群れが小さいとオスの割合が少ない傾向にあり、群れが大きくなると3割近い割合になると考えております。
実際にダイビング中に観察している際に上記の事が当てはまるケースが多いです。
性転換時の身体の変化
大きく分けると3箇所の変化が確認できます。
①体色
メスはオレンジ色ですが、オスになるにつれて赤紫色になっていきます。
紫要素よりは赤要素の方が強く出ます。
②背ビレ
オスになると背びれの第三棘条が糸状に伸びていきます。
③胸ビレ
メスの時にはない赤い斑模様が出てきます。
個体によってどこから変化するかは異なりますが、上記の3箇所を覚えておく事で性転換をした個体を見つける事が出来ます!
紅海の水槽で展示しているキンギョハナダイはオスとメスで体の色が大きく異なるんです。赤い色をしているのがオス、黄色がメスです。また、この魚はメスからオスに性転換することも知られています。 pic.twitter.com/hKGiMg9RSM
— アクアワールド茨城県大洗水族館 (@aw_oarai) November 29, 2013
キンギョハナダイの飼育方法
水槽の大きさは?
成魚のオスは15センチになる事もあるので、なるべく大きめの水槽を用意してあげましょう。
単体で飼育する場合には30センチ水槽でも可能です。
ただ何匹かのグループで飼育する場合には10匹程度なら60センチ水槽。
さらに数を多く飼育する場合には90センチ、120センチ水槽をお勧めします。
キンギョハナダイの餌
基本的には配合飼料で大丈夫です。
気をつけないといけないのは稚魚〜幼魚を飼育する場合です。
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稚魚〜幼魚の時期は頻繁に餌を与えないと痩せてしまうので、こまめに餌をあげるようにしましょう。
ガンガゼに守られて育つキンギョハナダイの幼魚 pic.twitter.com/0FNuGt7agG
— さかな (@chaetodon07) February 12, 2018
5センチほどまで成長すればこまめにあげる必要はなくなり、1日1〜2回を食べきれる量与えてあげれば大丈夫です。
水温
キンギョハナダイを飼育する場合、水温の適温は24度ですが、どこで生息していたキンギョハナダイなのかによって若干ズレがあります。
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インド洋、太平洋などのサンゴ礁エリアのキンギョハナダイなら若干高めの24〜25度。
本州〜九州エリアのキンギョハナダイの場合は若干低めの21〜23度でも平気です。
ただし基本的に水温は低めよりは高い方が元気に活動してくれるので、本州〜九州エリアのキンギョハナダイでも24度をキープするようにしましょう。
水槽内のレイアウトについて
キンギョハナダイは岩場やサンゴ礁の隙間に隠れて身をひそめる習性があるので、ライブロックや擬岩などを配置していくつか隠れ場所を作ってあげましょう!
砂地には生息しないので、底砂の有無はキンギョハナダイにとって関係ありませんが、水槽全体の見た目や水質などを考慮すると敷いた方が無難です。
混泳
成魚のキンギョハナダイは小型のベラ、ハゼ、ヤッコ、チョウチョウオ、クマノミ、サンゴなど熱帯魚水槽で楽しまれている魚との混泳は基本大丈夫ですが、攻撃的な魚との混泳はできません。
攻撃されたところから細菌性の感染症になりやすくなってしまいます。
稚魚〜幼魚の場合は単体もしくはキンギョハナダイより小さな種との混泳にしましょう。
ある程度大きくなるまでは臆病な性格で岩の隙間からあまり出てこないため、他の大きな種がいると餌にありつけず死んでしまうリスクが高くなってしまいます。
まとめ
以上、キンギョハナダイの魅力や生態、飼育方法について解説しました。
ただ単純にキンギョハナダイを見て楽しむのもいいですが、性転換の過程やオスとメスの判別などの知識があると違った角度から楽しむことができます。
ぜひ飼育にチャレンジしてみてくださいね!!
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