淡水魚であるグッピーを塩で治療する方法がありますが、初めて聞く人はとても不思議に思うかも知れませんね。
塩で治療する事を塩水浴と言い、この塩水浴は様々な病気に活用する事が出来ます。
意外な事に、この塩水浴は病気の治療や弱ったグッピーに対して効果があります!
塩水浴はグッピーだけではなく、他の淡水魚にも効果があるので覚えておいて損は無い治療方法となります!
グッピーの病気と塩の関係
グッピーには様々な病気があり、その病気の治療や予防の一環として塩水浴というものがあります。
※塩水浴が全ての病気に対して効果があるわけではないので注意が必要です。
まず、何故グッピーの治療に塩水浴が効くのか?という事から解説すると。
人間の血液に塩分があるように、グッピーの血液にも塩分が含まれています。
ここで浸透圧が関わっていきます。
浸透圧とは
これは体のほとんどが水分で構成されている為、浸透圧によって体内の水分が外に放出されてしまい、結果溶けてしまいます。
飼育水に塩分が含まれていない為、浸透圧の関係で体外にある水分はグッピーの体内にどんどん入っていきます。
体内に入ってきた水分は尿で排出し、更に水が極力入ってこないように体表を粘膜で覆っています。
これが本来、淡水魚における血液や体液の循環ですが、体調が悪い場合はこの循環が上手く行えず、体調が悪化し最悪の場合死んでしまいます。
塩水浴というのはこの浸透圧を無くし、グッピーの血液に含まれている塩分と水槽内の塩分を均一にします。
塩分濃度が同じ位になる事でグッピーの体内に水分が入ってこなくなり、水分を外に出す力を使わずに済むので体力の消耗を防ぐ事が出来ます!
つまり、塩水浴で病気を治すというよりかはグッピーの自然治癒力の手助けをするという意味合いが当てはまりますね。
塩で菌を殺す
塩の成分である塩化ナトリウムには殺菌効果があります。
淡水に潜む病原菌は塩化ナトリウムに弱い菌が多く存在する為、病気の元となる菌を殺す事が出来ます。
反対に塩化ナトリウムで活性してしまう病原菌が存在し、一概に全ての病原菌を殺す事は不可能なので注意が必要です。
例えば、グッピー病(ハリ病)と呼ばれるグッピー特有の病気は塩水浴で治す事出来ない為、薬浴のみの治療になります。
グッピーの病気に関してはこちらの記事で解説しているので、是非読んでみて下さい!
使う塩は?
料理で使用している食塩を使用して問題ありませんが、化学調味料が入っている塩は状態を悪化させしまう可能性がある為、使う前に何が含まれているか確認しましょう。
ペットショップには塩水浴用の塩タブレットも販売されているので、不安であればそちらを使う事をオススメします。
塩水浴の期間
どのくらい塩水浴をしたら効果があるのか?
目安となる期間は3日〜7日間ほど様子を見ましょう。
又、塩水浴中はグッピーに必要なバクテリアがいなくなってしまう為、最初の3日間は毎日換水が必要となります。
塩水浴を止めるタイミング
塩水浴を止めるタイミングとしてはグッピーの調子が良くなったタイミングで問題ありません。
ここで注意しなければならないのが、いきなり淡水に戻してしまうと浸透圧が上手くいかずに調子を崩してしまうので、徐々に塩分濃度を薄めていきましょう。
塩水浴の状態から半分換水し、翌日にまた半分換水してから水槽に戻してあげれば問題ありません。
塩水浴の期間中は餌の頻度を減らす事で水質悪化が防げるため通常通り餌を与えず、2日に1回程度与えるようにしましょう。
濃度
塩水浴に適した濃度は0.5%が適しています。
0.8%を超えてしまうと浸透圧の関係で、グッピーの体内にある水分が外に放出され脱水症状を起こしてしまいます。
先ほど解説した浸透圧とは調整が逆になるので、グッピーにとって大変危険な状態になります。
濃度0.5%にする方法は水1リットルに対して食塩5gを入れます。
濃度が薄い分には問題ありませんが、濃くなってしまうとグッピーにダメージを与えてしまう為、控えめに塩を入れるようにしましょう。
塩水浴の注意点
グッピーを飼育している方の多くは水草も一緒に飼育している事が多いですよね。
よくありがちなのが、普段飼育している水槽に塩をそのまま入れてしまって、水草が枯れてしまうケースが多いです。
水草は塩に弱い為、入れてしまうと枯れていくので注意しましょう!
又、水草以外にも岩や流木、底砂に塩がついてしまうと再度水草を入れた時に塩分が溶け出し、水草に影響を与えてしまいます。
塩水浴をさせる場合は水槽内にあるものを全て取り出すか、塩水浴用の隔離水槽を準備しましょう。
手間などを考えれば塩水浴用の別水槽を準備する事をオススメします!
まとめ
以上、グッピーの病気は塩で治せるのか?について解説しました。
塩水浴はグッピーの体力回復に有効な為、病気の初期症状など早期段階で効果があります。
病気が進行してからの塩水浴はあまり効果が発揮されないので、薬浴と並行して治療するのがオススメです!
塩水浴中は濃度に注意し、水草などのレイアウト材料が無い状態で塩水浴をしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント