子供の頃に名前を聞いた事があったり、学校のプールや公園の噴水、田んぼなどで見た事がある方も多いゲンゴロウ。
しかし、現在では水質汚染や外来種が日本に来たことにより捕食されてしまい昔とは環境が変わったため、見かける事が難しくなっているのが現状です。
そんなゲンゴロウは水生昆虫の王道と言っていいほど人気があり、飼育者を昔と変わらず今も魅了し続けています!
今回はそんなゲンゴロウについて、飼育の仕方や注意点などを解説していきます。
ゲンゴロウの生態
ゲンゴロウは世界には約4000種、日本国内には約140種ほど生息しており、田んぼや溜池、沼など水がある地域を好んで生活をしています。
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昆虫は陸上で生活するものがほとんどですが、ゲンゴロウは腹部と翅の間に空気を溜める事ができ、これが酸素ボンベの役割となるため水中でも呼吸する事ができます。
翅がある事で空も飛ぶ事が出来るので水中、陸上、空中と行動範囲がとても広いのが特徴です。
ゲンゴロウの大きさ
一般的に日本で多く見られるゲンゴロウは『ナミゲンゴロウ』と呼ばれ、成虫になると体長が3cm〜4cm程度になり、ゲンゴロウの中では最大種にあたります。
ゲンゴロウは水中の生活が基本となるため、体が水の抵抗を受けにくい流線形となっていてオール状の後ろ足があり、前には鎌の様な爪を持っています。
この鎌の様な爪で獲物を捕食しますが、追いかけて捕食するというよりかは待ち伏せをして捕食する事が多く、弱っている魚や死んでしまっている魚、水面に落ちた虫などを主に食べて生活をしています。
他にも日本で観察できるゲンゴロウの仲間にはクロゲンゴロウと呼ばれる体長が約2cm程の小さなゲンゴロウもいます。
ゲンゴロウの寿命
ゲンゴロウの寿命は2〜3年と昆虫の中では長寿です。
飼育下では5年生きた記録もあるので、長く飼育を楽しむことが出来ますね。
ゲンゴロウの入手方法
ゲンゴロウを入手する方法はペットショップで購入するか採取するかの2択になります!
購入で入手する
ペットショップで購入する場合はおおよそ1匹1000円〜1500円程度で販売されています。
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購入する際は可能ならば餌を与えてもらい、餌の食いつきが良い個体や素早く動いている個体を選びましょう!
採取で入手する
ゲンゴロウを採取する場合は場所選びがとても重要です。
用水路、田んぼ、公園の池などなるべく自然が残されている場所に行き、網などで水底の泥などごと掬うと捕まえることが出来ます。
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5月頃〜10月頃はゲンゴロウの活動期になるので、採取出来る可能性が高くなりますよ。
しかし、天敵であるブラックバスやナマズなどが生息している場所では捕食されてしまっている可能性が高いので採取するのは難しいでしょう。。
ゲンゴロウを飼育してみよう!
水槽
水槽の大きさは極力大きいのを選びましょう!
ゲンゴロウに与える餌により水質が悪化してしまうので水量を多くする事で水質悪化のスピードを防ぐ事ができます。
最低でも45cm以上の水槽を準備するのがオススメです!
レイアウト
基本的に水中にいるゲンゴロウですが、甲羅干しをする習性があるため陸地も作ってあげる事が重要です!
陸地は流木や浮き草などを使い、水上から10cm〜15cm程度出ていると良いです。
また、先程も説明したようにゲンゴロウは空気を溜めて水中へ潜るので、何も掴むものがないと浮きやすくなってしまいます。
浮いてしまうと、水中に留まる事が難しくなるためゲンゴロウにストレスが掛かってしまいます。
水草や流木をレイアウトする事でそれに掴まり水中で生活できるので必ず用意してあげましょう!
底砂
底砂は無くても飼育が可能ですが、底砂を敷く事でゲンゴロウが生息する水中を再現することが出来るだけではなく、底砂に水を浄化してくれるバクテリアが繁殖するので、水質を保ちやすくなります。
オススメの底砂はソイルです。
ゲンゴロウが生息している環境は泥砂が多いので、このソイルが泥砂の性質に一番近付けてくれるためです。
フィルター
綺麗な水を好むゲンゴロウに与える餌は水質を汚すものが多いので、フィルターは必須です。
田んぼの水路や沼地などで生息している事から、流れが強い場所は苦手な生き物なので、フィルターは緩やかに循環してくれるものや流れが調整できるものを選びましょう!
上部フィルター、外部フィルター、底面フィルター、外掛けフィルター、投げ込み式フィルターなど、広範囲で選択できますが水槽内は陸の部分もあるため、取り付ける際はフィルターの吸水口が水中から出ないように注意しましょう。
こまめに水の蒸発分を水足しできる方は問題ありませんが、忙しい方は底面フィルターや投げ込み式フィルターを選ぶ事で水が蒸発してフィルターが空回りするという心配は無くなるので安心です!
餌
自然界では弱っている魚などを食べていますが、飼育下では基本的に何でも食べてくれます。
ザリガニ用の餌やペットショップで販売されている乾燥川エビなど、基本的にどんなものでも積極的に食べに来てくれるので給餌には苦戦する事は少ないです。
ゲンゴロウの飼育注意点
水温に注意
水槽の温度についてですが、ゲンゴロウは低水温には強いのでヒーターの設置は不要です。
逆に高水温には弱いので、水槽用クーラーを取り付けるのをオススメしますが、水槽用クーラーは高価な機材なので取り付けが難しい方も多いと思います。
そんな時はなるべく日が当たらない場所や、風通しの良い場所に水槽を置くだけでもかなり効果があります!
蓋を取り付けよう
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ゲンゴロウは飛ぶことが出来るので蓋を必ずしましょう!
エアーチューブを通すための隙間を開ける必要などがある場合は、ゲンゴロウのサイズよりも小さい穴を作ってあげることで脱走を防ぐことが出来ます。
まとめ
以上、ゲンゴロウについて解説しました。
現在では絶滅危惧種に指定されているほど数が減っており、昔と比べると見る事が難しくなっていますが、飼育下に置く事でゲンゴロウの生態をより身近に見る事ができるためとても貴重な飼育をする事ができます!
水生昆虫で最も人気のあるゲンゴロウに是非挑戦してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
・水質の汚れすぎには注意しましょう!
・蓋は必ずしましょう!
・夏場は日陰や風通しの良い所に水槽を置きましょう!
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