ブラックバスは釣りのイメージや生態系を荒らす外来種というイメージが強いですよね。
そんなあまり良いイメージのないブラックバスですが、釣りだけでなく食用としても輸入されたことを皆さんご存知でしょうか?
今回はそんなブラックバスについて釣りや食用として、少し変わった視点から解説していきたいと思います。
ブラックバスとは?
ブラックバスはスズキ目サンフィッシュ科の淡水魚で、1925年にアメリカのフロリダ州から釣りの対象魚や食用として日本にやってきました。
始まりは箱根にある芦ノ湖に約90匹程が放流されたのがきっかけでしたが、その後は放流が繰り返され現在では全国の都道府県で生息が確認されています。
ブラックバスとはオオクチバス属に属する魚の総称なので、あくまで呼び方であり実際にはブラックバスという魚は存在せず
・コクチバス
・フロリダバス
・オオクチバス
・ショールバス
・レッドアイバス
・スワニーバス
・スポッテッドバス
・グアダルーペバス
以上の8種の魚の総称をブラックバスと言いますが、日本では主にオオクチバス(ラージマウスバス)に対してブラックバスという言葉を使います。
生態
ブラックバスは主に湖沼に生息しており、普段は物陰に隠れて留まっていることが多く、主に他の魚類や水面に落下した昆虫などを捕食します。
繁殖能力や環境適合力に優れている上に肉食魚なので、日本に古くから生息している在来種を捕食してしまうため深刻な問題になっています。
大きさ
ブラックバスの成魚は30〜50cm程まで成長します。
大きいものでは60cmを超える個体もおり、ギネス記録では栗田学氏が琵琶湖で釣り上げた73.5cm、10.12kgの個体が最大です。
ブラックバスの世界記録はIGFA(International Game Fish Association)というアメリカのフロリダ州にある国際組織が認定をしています。
日本ではブラックバスをサイズで測ることが一般的ですが、世界基準では重さで競います。
釣りのブラックバス
ブラックバスは頭もよく警戒心が非常に強い上に引きも強く、ゲームフィッシングが人気です。
その人気は各地域や湖などで大会が開催されるほどで、そのほとんどが餌を使った釣りではなく、ルアーと呼ばれる餌を模したもので釣るのが一般的です。
ブラックバスは生息している場所によって食べている餌が異なるため、その場所でブラックバスが食べているものに似せたルアーを選び、偽物とバレないように動かしたりしながら試行錯誤するのがブラックバス釣りの醍醐味と言えます。
例えばワカサギが生息している湖でワカサギを食べているブラックバスにはワカサギに似せたルアーを、ミミズなどを食べているブラックバスにはミミズに似たワームと呼ばれるものを用い釣り上げます。
今年初めてのブラックバス!
小さくて可愛い!
20cm位のバスが7cm位のワームを食うとは思わんかったw pic.twitter.com/JVHEhHRM80— シェムハザ (@FMRuSW9AFeNbaIk) August 30, 2019
在来種を食べてしまい深刻な問題になっている一方、その人気から釣り業界には1000億円の利益をもたらしたとされています。
国内には300万人のブラックバス釣り愛好家がおり、食用として日本にやってきたブラックバスも今や釣りの対象魚というイメージしかないのが現状です。。
食用としてのブラックバス
釣りの対象魚としてのイメージが強いブラックバスですが、食用としても日本にやって来たんです。
そんな食用としての顔も持つブラックバスですが、皆さんの食卓にはアジやサバと同じように食卓に並びますか?
恐らく並ばないと思います。少なくとも著者の人生では一度もありません。笑
日本ではあまり馴染みのない食材ですが、アメリカでは塩焼きなどで一般的に食べられています。
生息している環境や見た目などから敬遠されがちですが、しっかりとした調理さえ行えば美味しく食べることができる魚で、塩焼きやムニエル、バター焼きなどがオススメの食べ方と言われています。
元がスズキの仲間なので、美味しいのも納得ですよね。
今日は生まれて初めてブラックバスを塩焼きで食べてみました。生息している場所がこんなに綺麗な場所なのでいけるのでは、、、と。答え、めちゃめちゃ美味しかったです。ブラックバスは外来魚なので、これからはキャッチ&イートの仲間入りになりました。ホント、美味しかったのでみんなに食べさせたい pic.twitter.com/96ISAYa1fq
— 代々木原シゲル (@yoyogibara) July 20, 2018
また、他の淡水魚にも言えますが、濁った沼や湖で生息しているブラックバスよりも清流で育ったブラックバスの方が匂いが少ないので、ブラックバスを食べる場合は清流のブラックバスが良いでしょう。
食べられるお店
特にブラックバスが深刻な問題になっている滋賀県の琵琶湖では、県の取り組みでブラックバスが食べられるお店もあります。
そんなブラックバスの料理を提供するのは、滋賀県立琵琶湖博物館のレストラン「にほのうみ」さんです。
琵琶湖博物館のレストランで、ブラックバス天丼を食べました。予想外のおいしさでした。 pic.twitter.com/XFkIJS7k7X
— かなぽん@さばしおコポ (@momoyamoji) May 21, 2018
こちらのお店ではブラックバスは天丼として提供されているので、興味がある方は是非行ってみて下さいね。
ブラックバスの飼育について
ブラックバスはその野生的な見た目やダイナミックな捕食をすることからアロワナやピラニアのように飼育したいという方も多いと思います。
しかしブラックバスは特定外来生物に指定されているため、個人が飼育することは出来ません。
ブラックバスだけでなく特定外来生物は個人の放流等によって全国各地に広まったとされているので、飼育自体を禁止し他の地域への進出を未然に防ごうという働きがあります。
pick up!!
特定外来生物とは日本にある在来種の生態系に害を及ぼしたり、壊してしまう可能性がある生物のことです。
これはブラックバスのような生き物だけでなく、植物なども含まれ現在約100種程が特定外来生物に指定されています。
特定外来生物について詳しく知りたい方は環境省のHPから確認出来るので覗いてみて
下さいね。
罰則
もし特定外来生物に指定されているブラックバスを無許可で飼育してしまった場合
個人の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金
法人の場合は5000万円以下の罰金。
となってしまうので取り扱いには十分に注意しましょうね。
もしブラックバスを釣り上げて食用として家に持ち帰りたい場合は、生きたまま持ち帰らなければ問題ないので、必ず絞めてから持ち帰るようにしましょう。
まとめ
以上、ブラックバスについて解説しました。
ブラックバスはその見た目やイメージから嫌われがちですが、人間が勝手に日本に持ち込んだことが原因なのでブラックバス自体に罪はありません。
飼育は禁止されていますが、釣りとして楽しむのも良し、食用は少し可哀想ですが食べる場合はせめて美味しく調理してあげて下さいね。。
外来種の問題はブラックバスに限らず様々な生き物たちのテーマですが、少しでも生き物たちが暮らしやすい社会になることを願います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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